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医学部入試の物理の出題傾向から対策を徹底解説

医学部の人気は年々高まっており、それに伴い医学部入試はますます激戦を極めるものとなっています。

その中でも物理という科目は得意不得意が明確に分かれるという特性上、合否に大きく影響を与えます。

物理が得意な受験生はある程度の難度の問題でもスラスラ解く一方で、一度苦手意識を持ってしまうと標準的な問題であっても手が出せなくなってしまう受験生もいます。

そこで今回は医学部入試において物理という科目がどのような特徴を持ち、そしてそれらに対してどのように対策すれば良いかを解説します。

▼目次

医学部入試の物理の出題傾向や特徴

医学部入試の物理の出題傾向と特徴

医学部入試の物理で出題される傾向についてまず解説します。

国立、私立によって若干の傾向は変わりますが、大多数の大学では標準的な難易度の問題が出題されます。

よって東大や京大等を目指すのでなければ、いたずらに難解な問題集をこなす必要はありません。

多くの国立大学では医学部受験生が解く問題は一般学部の受験生と同じです。

私立医大でも際立って難しい問題は出題されていません。

あるいは出題されても合否に影響を与えることはありません。

詰まるところ一般的な受験生と対策は変わりません。

ただ一般学部とは要求される「質の高さ」が桁違いに高いです。

赤本等で確認して頂ければ医学部の合格最低点だけ他学部よりも突き抜けて高いことがわかります。

よって医学部入試の物理では「標準的な問題を網羅的かつ的確に解き切る力」が必要だと言えます。

標準的、の意味を勘違いしてはいけない

さて医学部入試の物理であっても標準的な問題が解ければよいことがわかりました。

しかしこの標準という言葉に注意してください。

標準な問題とは簡単な問題であることとイコールではありません。

医学部入試で一般的に言われている標準とは、他学部の受験生の合否を分けそうな問題でも難なく解き切るレベルと認識しましょう。

また医学部入試に限らず物理の問題で問われるのは公式を暗記しているかではありません。

公式の原理を応用して現象理解をすることにあります。

どんな状況下で物体がどのような振舞いをするかを説明できること。

電磁誘導が発生する原理を二通りで説明できること。

このような一見簡単な物理現象を教科書の知識を用いてスラスラ言えることが重要です。

物理では最低限の幾何的な数学力も必要であり、さらに三角関数や微積分の知識も要求されます。

したがって、数学の基礎に不安がある人も物理と共に数学も復習しましょう。

医学部入試の物理の対策

みんなが解く典型問題を確実に完答する

上述の通り、医学部入試といっても問われるのは標準的な問題がほとんどです。

実際に試験場で問題を開いても「どこかで経験したことのある問題」が多く出題されます。

その「どこかで経験したことのある問題」を取りこぼすことは医学部入試で致命的になります。

対策としては日頃使用する入試標準レベルの問題文を、友人に解説できるくらい深く説明できるようになりましょう。

人間は人に教えることが最も知識が定着しやすいと言われています。

現象理解が不十分だと問題は解けても原理が理解できていないこともあります。

したがって、解けるだけで満足せず似たような問題に遭遇した時にも確実に処理できるように復習を重ねることが重要です。

しつこいようですが医学部入試では「差がつく問題」を解くことより「他の受験生が落とさない問題」を確実に得点する方がはるかに重要です。

受験校の頻出分野を最初に押さえるべし

いざ受験校が決定したらまずは過去問の分析をしましょう。

ここで注目すべき点は「どの分野が頻出なのか」「原子分野は出題されるか」などがあります。

多くの大学では力学分野と電磁気分野はほぼ必ず出題します。

大問数が三問の場合、あと一つは波動か熱力学の場合が多いです。

原子分野を伝統的に出題する大学もありますから、どの分野が重点的に出題されるかを押さえましょう。

一般的に物理を体系的に学ぶためには力学を最初に習得します。

力学の次に学ぶ分野は高校によって異なるため、現役生で入試まで時間がない人は頻出の分野に絞って対策しましょう。

比較的時間のある受験生は過去問研究で明らかになった頻出分野の問題に限りやや難解な問題集を解くと良いでしょう。

問題数よりも一問あたりの理解度、深達度を重要視しよう

理科、とくに物理では「何問解くか」よりも「どれくらい深く一問を理解するか」に重心を置くといいでしょう。

というのも物理法則は不変であるため、同じ題材の問題を何問も解く必要がないからです。

一問一問を大切にして、問われている物理法則は何か、何を根拠に立式したかを言語化できるように勉強しましょう。

この勉強法は確かに一見時間がかかるように見えます。

しかし一度深く理解してすれば次に類題に遭遇した時に対処が非常に容易になります。

逆に一問の現象理解が浅いまま先に進むと、忘れるのも早い上に類題に遭遇した時に同じ原因で間違えてしまいます。

まとめ

今回の記事では医学部入試の物理の特徴と対策について解説しました。

物理は一見とっつきにくい科目ですが、きちんと理解を積み上げることで得意科目になりやすいです。

大事なことを再度まとめると、「受験校の出題傾向を調べること」「量より質の勉強をすること」になります。

物理が得意科目になると合格がグッと近づくのでみなさんぜひ工夫して、そして楽しんで勉強していってください。