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物理の指導方針

物理は最小限の努力で飛躍的に成績UPできる

教科の特性

一般に物理という科目は、他の科目に比べてとっつきにくい、分かりにくい、と言われる科目でしょう。
その主な原因は、物理は「抽象度が高い」学問だからだと思われます。

物理で登場する法則や公式は、数式の形式で書かれています。
「抽象度が高い」というのは、数式が現実の現象と結びつきにくい、ということです。

でも逆に言うと、この「抽象度が高い」ということは、最小限の知識からさまざまな自然現象を理解できる、ということでもあります。
これもよく言われることですが、物理という科目は、他の科目に比べると覚えることが圧倒的に少ないのです。
つまり、一つ一つの法則を現象と結びつけて理解することにより、最小限の努力で飛躍的に伸ばすことができる科目が物理なのです。

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指導方針

まず、最も重視していることは、「図を描くこと」です。
物理ではさまざまな現象を扱いますが、その現象を理解、把握する一番良い方法が、「図を描くこと」です。

例えば、力学では、力の矢印の作図とおよびその分解を徹底訓練します。
物理では力に限らずベクトル量を扱うことが多いのですが、その図形的操作を自由自在に行えるようでなければ、入試問題は解けません。
一斉授業では、講師が一方的に図を示すだけで、生徒がきちんと図を描けているかどうかまでを確認することは難しいのですが、個別指導であれば、生徒の描いた図を講師が確認できるので、その間違いの指摘もしやすく、生徒の習熟も早くなります。

次に大事なことは、現実の現象を数式に乗せる、という感覚を養うことです。

例えば、波動分野のドップラー効果では、多くの参考書がその公式を暗記すべき重要公式のように記載していますが、その暗記は薦めません。
その公式を覚える前に、なぜ振動数が変化するのかの理屈を理解できるように教えます(その際にはやはり図を描きます!)。
そして、そこからごく自然な流れで式を導きます。
公式が、ごく自然な論理から導かれるということを会得すれば、もうその公式を暗記する必要などないのです。

実際の入試問題でも、ドップラー効果の公式を覚えていれば答が書ける、という安易な問題はあまり期待できません。
なぜその現象が起きるのかの理解度を試す問題が多く出題されます。

そしてこれも大事なことですが、解の吟味をする癖をつけてもらいます。

例えば、異なる次元の物理量を足し算や引き算することはあり得ない(1キログラム+2メートルなどという計算は無意味です!)のですが、生徒の答案をみると、この間違いを平気で犯しています。
これは前述の、数式には現象が結びついているのだという意識が薄いからです。
この意識があれば、答を見ただけで何かおかしいと気づく嗅覚が発達して、正解率が劇的に上がります。

ところで、講師の間でも生徒の間でもときどき話題になる、高校物理において微分積分を使うべきか、ということについて一言触れておきます。

まず、多くの方が誤解しているのですが、実は、普通の高校のカリキュラムでも、微分積分の考え方は使っています。
例えば、速度-時刻のグラフの面積から進んだ距離を導出する場面などです。
これは積分の考え方を使っているのですが、往々にしてインテグラルの数式記号を使わずに面積の計算をするので、「積分を使っていない」との誤解を招くのです。

つまり、意味的には積分計算をしているのにもかかわらず、形式的に積分計算をしていないので、そう勘違いをしてしまうのです。
きちんと意味を理解した上で微分積分の計算技術を利用するのが正しい物理の学習法であり、形だけ微積による解法を真似しても、単なる自己満足に陥ってしまって、結局は物理の理解にはたどり着きません。(そのような生徒をしばしば見かけます。)
重要なのは、意味からしっかりと(微積を含む)数式の扱い方を学んでもらうことなのです。