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社会人しか受験できない医学部入試枠があるって本当?

医学部受験。

全国各地に大学の医学部は存在しますが、定員が少なく、倍率も10倍を超える難関です。

医師になるためには医学部に合格し、医師国家試験を突破する必要があります。

初めて大学受験をする際には医学部を検討していなかった、社会人生活を送る中で医師になりたいという目標ができた。

こんな方もいるのではないでしょうか。

もちろん、現役の高校生や1浪、2浪などの学生と競う形で受験をすることも可能ですが、社会人にしか受験できない入試形態も存在します。

そこで今回は、社会人限定の受験制度である「医学部学士編入制度」について解説をしていきます。

▼目次

社会人しか受験できない「医学部学士編入制度」とは?

他学部卒業者向けの試験

社会人といえども、さまざまな方がいます。

結論を先に申し上げると、「医学部学士編入制度」とは、4年制大学を医学部以外で卒業した方が対象となります。

より具体的にご説明すると、医学以外の学問分野を専攻し、明確な目的意識を有する学士=学部の卒業生(卒業見込みを含む場合も)を医学部2年次または3年次に編入させる制度です。

国立大学を中心に多くの大学で現に実施されています。

年齢事情

このように制度自体が、一度4年制大学を卒業している方を対象としていますので、必然的に受験生の年齢は4浪以上、22歳以上となります。

少し前に医学部受験における多浪生への不利な扱いが表面化しましたが、そんな中で、なぜこのような制度があるのでしょうか。

歴史的な過程を言えば、多くの大学医学部で編入試験が行われるようになった背景には、2000年に文部科学省から全国国立大学医学部に出された以下の通達がありました。

「良医育成のため、いちど大学を卒業し、社会経験を積んだ人材を、積極的に医学部に編入させること」。

各大学には特徴があります。

最先端の研究を力を入れているところ、地域医療や地域の発展に力を入れているところなどさまざまです。

そうした多種多様な建学精神に応える形で、一度大学を卒業した社会人学生を迎え入れることで、大学側も多様な人材を育成したいという狙いがあります。

具体的にどんな試験?

通常の医学部入試の試験形態

通常の医学部入試では、国公立大学と私立大学とで異なりますが、英語、数学、理科2科目が要求されるところがほとんどです。

そしてそれらの科目につき1次試験という形で学科試験が行われ、それを通過した受験生は小論文・面接試験の2次試験に進むことになります。

国公立大学を目指す受験生は、これに加え前提として共通テスト(旧大学入試センター試験)の結果も要求されます。

勉強することが多く、面接試験含めしっかりと準備をしなければならない点で、かなりの労力と時間が要求されます。

小論文や面接

では、医学部学士編入制度では、どのような試験形態になっているのでしょうか。

医学部学士編入制度においても、1次試験で学科試験、2次試験で面接(集団討論含む)
という形が主流です。

もっとも、多くの大学では通常の医学部一般入試よりも学科試験の科目数は絞られています。

また、学科試験の前に書類審査がされる大学や、TOEICなど英語外部試験のスコアを求める大学もあります。

学科試験の科目ですが、多くの大学は、英語+生命科学、英語+生命科学+物理化学、英語+生命科学+物理化学+数学、という3つのパターンに分けられます。

いずれにしても、科目数は少なめという傾向が読み取れます。

生命科学とは

ここで生命科学という科目が聞きなれないという方も多いと思います。

わかりやすく言い換えますと、高校で学ぶ科目である生物をベースとして、人体に関連する部分を深めた科目、ということになります。

具体的な内容は、分子細胞生物学、生化学、生理学、神経科学、免疫学、組織学まで多岐にわたります。

通常の生物科目とは異なるため、内容をしっかりと理解し、独自に対策をしていくことが必要です。

倍率は?

受験倍率

先に述べたように、医学部の一般入試の倍率は10倍以上です。

特に私立大学医学部は、日程的に重複しない限りは複数校の受験が可能であり、合格の可能性を高めるために、多くの受験生が複数校受験することが通例となっています。

学士編入試験においても、倍率はさほど変わりません。

これも日程が重複しないことからくる結果といえます。

文系出身の受験生も

医学部は一般に理系に分類され、高校生などであれば理系選択の学生が受験をすることになります。

これに対して学士編入試験においては、文系出身の受験生も見られます。

社会人経験を経て、医学の道に進みたいという方であれば、大学の学部関係なしに受験することが可能です。

まとめ

医学部受験は熾烈を極めます。

しっかりとした準備が合格可能性を高めることは言うまでもありません。

合格のための1つの戦略、方法として、学士編入試験を受験することは間違いなく有効です。

志望校情報などをしっかりと集め、適切な準備をしていきましょう。